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ごあいさつ

理事長 石神 昭人

理事長 石神 昭人

 このたび,2021年4月から2023年3月までの2年間,日本基礎老化学会の第10代理事長を務めさて頂くことになりました石神昭人です.
 本学会は,生物の老化機構を遺伝子,細胞,組織,個体のレベルで解明したいと望む多くの研究機関,大学,企業などに所属する研究者や学生が集う学術団体です.また,その研究対象はヒトに限らず酵母,線虫,ショウジョウバエなど多岐に渡ります.そして,これらの生物種から得られた科学的エビデンスは最終的にヒトへと外挿し,ヒトの健康寿命の延伸に繋げることを目的として活発な議論を展開しています.
 近年,世界中で老化研究が盛んに行われています.それに伴い多くの学術集会では,「老化」をテーマとしたシンポジウムや講演会が企画されます.私たちは「老化」という言葉を日常的に使いますが,意外にも「老化」という言葉を名称に用いている学会は,私の知る限りでは日本基礎老化学会だけです.その理由はわかりませんが,想像するに「老化」という言葉の意味がネガティブな印象を与えるためかも知れません.確かに,「老化」とは年をとるに従い,肉体的,精神的機能が衰えることを意味します.しかし,その現象の背景には必ず生物種を超えた普遍的な機構があるはずです.本学会では,一見ネガティブに捉えられやすい「老化」に対して真正面から前述のように多岐に渡る生物種を用いて,様々な観点から老化機構の解明を目指した議論を学術集会や学会誌を通して日々重ねています.

 本学会は1977年2月に日本基礎老化研究会として設立しました.そして,4年後の1981年5月に現在の日本基礎老化学会と名称を変更し,学会になってから40年の歴史を刻んできました.私が本学会に入会したのは,老化研究を志す大学院生であった1986年4月でした.以降35年間に渡り多くの諸先輩方が築き上げてきた本学会の発展や変容を目の当たりにしてきました.特に老化,老年病,看護などに関連した7学会から構成される日本老年学会に初期の頃から加盟したことには大きな意義があります.現在では1年おきに日本老年学会総会を7学会合同で開催し,基礎老化研究のみならず他分野での老化に関する議論も活発に行うことができるようになりました.私は本学会学術集会での研究発表による議論から老化の基礎的な概念や研究手法など多くを学ばせて頂きました.そして,老化研究を35年間も続けることができました.私は,理事長としてこの2年間の任期の間に私が諸先輩方から学ばせて頂いたことを私よりも若い老化研究者に引き継ぐことが最大の責務と認識しております.その重責を全うし,本学会が益々発展するように精一杯務めさせて頂く所存です.皆様のご支援とご協力を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます.
 最後に,本学会において,皆様と「老化」に関する多くの議論ができることを楽しみにしております.

2020年4月吉日

日本基礎老化学会 理事長
東京都健康長寿医療センター研究所 研究部長石神 昭人

設立

昭和56年5月15日(前身の日本基礎老化研究会の設立は昭和52年2月2日)

歴代会長

初代 会長 :太田邦夫
第2代会長 :今堀和友
第3代会長 :鈴木孯之
第4代会長 :佐藤昭夫
第5代会長 :後藤佐多良
第6代会長 :丸山直記
第7代会長 :石井直明
第8代会長
(理事長) :下川 功
第9代理事長 :丸山光生
第10代理事長 :石神昭人

主な活動

  • 大会(春)
  • シンポジウム(秋)
  • 会誌の発行(年3回)、図書の発行
  • 役員会 理事会(年2回)、評議員会(年1回)
  • 日本基礎老化学会奨励賞(40歳以下)に応募できます。
  • 隔年に開催される日本老年学会の合同会では他の6学会(日本老年医学会、日本老年社会科学会、日本老年歯科学会、日本老年精神医学会、日本ケアマネージメント学会、日本老年看護学会)の会場にも入場できます。
  • 老化総説誌 Biomedical Gerontology(基礎老化研究)が配布されます。

当学会は老化に関する基礎的な研究について科学的な議論を行うことにより基礎老化学を振興することを目的としています。
従って当学会が健康食品等を推薦・承認することはありません。