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学会誌

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 学会誌「基礎老化研究」バックナンバー公開のお知らせ
     現在、1977年以降の発行分について全文、1977年第1巻~2016年第40巻3号の「基礎老化研究」
     ならびにシンポジウム「老化の基礎的研究」講演記録の1975年から1979年分 (第1回から第8回)
     pdfファイルにて公開しております。
     なお、現在2017~2015年分は学会員限定にて公開しております。

      

 投稿規程  この雑誌について

2017年


2017年1月
41巻1号



(学会員限定)
pdf
2.2MB
目次  (pdf 63KB)(学会員限定)

名誉会員寄稿文
 Unfinished Odyssey for Well Aging and Humanness
 Sang Chul Park, MD, PhD    (pdf 660KB) (学会員限定)
 
特集企画「メタボロミクスと疾患・老化」  (pdf 507KB) (学会員限定)

総説
 血液メタボロミクスによる老化マーカー同定
 照屋 貴之、柳田 充弘、近藤 祥司 (pdf 1MB) (学会員限定)

総説
 生物学的メチル化を介した寿命と老化
 深水 昭吉 (pdf 676KB) (学会員限定)

総説
 NAD 代謝による老化制御機構
 夜久 圭介、中川 崇 (pdf 627KB) (学会員限定)

総説
 代謝疾患におけるRNA 修飾の分子機能およびRNA 修飾を標的とするオミクス研究の最前線
 魏 范研、富澤 一仁 (pdf 829KB) (学会員限定)

学会報告
 2016 Cold Spring Harbor Laboratory Mechanism of Aging Meeting参加報告記
 玻名城 隼、丸山 光生 (pdf 550KB) (学会員限定)

学会報告
 Society for Neuroscience 2016  木村 展之 (pdf 589KB) (学会員限定)

海外留学記
 アメリカで生き抜きたい!  福田 真 (pdf 565KB) (学会員限定)


血液メタボロミクスによる老化マーカー同定

照屋 貴之1)、柳田 充弘1)、近藤 祥司2)
1)沖縄科学技術大学院大学・G0 細胞ユニット
2)
京都大学医学部附属病院・高齢者医療ユニット、糖尿病内分泌栄養内科

 血液メタボローム(全ての代謝産物プロファイル)は、遺伝、エピジェネティクス、生活習慣、 健康状態等を反映しうる。適切な手法(安定な試料、高性能分析機器、データ解析)を用いれば、 血液を通じて健康・老化・疾患状態の情報を読み取ることが可能となる。我々は、独自のヒ ト血液メタボローム分析系を構築し、126 代謝物を同定した。各代謝物に関し、①日周変動 の有無、②赤血球に豊富かどうか、③個人差の程度を分類した上で、健常な若年と高齢の血 液メタボローム比較解析を行い、老化マーカーと呼べる代謝物14 個を見出した。それらは、 抗酸化、尿排出や窒素代謝、骨格筋など、老化関連生理機能を反映すると推測される。本稿 では、我々の研究を通じてメタボロミクスによる老化研究について議論する。

キーワード:血液メタボローム、老化、赤血球、変動係数、相関係数

生物学的メチル化を介した寿命と老化

深水 昭吉
筑波大学 生命領域学際研究センター

 生物は、遺伝情報のセントラルドグマにもとづき生命活動を営んでいる。DNA を複製し て次世代に遺伝情報を伝達し、これらを転写したRNA 情報を鋳型にして翻訳することでタ ンパク情報へと変換していく。寿命や老化が遺伝や生活環境によって左右されると考えられ ているが、その仕組みの一端がセントラルドグマと関わる「生物学的メチル化」から明らか になりつつある。本稿では、我々の研究成果を含めて最近の知見を紹介したい。

キーワード:線虫、代謝、化学修飾、RNA、メチル化

NAD 代謝による老化制御機構

夜久 圭介、中川 崇
富山大学大学院医学薬学研究部(医学) 病態代謝解析学講座

 Nicotinamide adenine dinucleotide(NAD)は生体内で酸化還元反応を媒介する補酵素と して重要であるとともに、脱アセチル化やADP- リボシル化といったタンパク質の翻訳後修 飾にも関わっており、エネルギー代謝にとどまらず、分化・増殖といった様々な細胞内機能 の調節を行っている。特に老化関連分子として重要なSirtuin はNAD 依存性の脱アセチル化 酵素であり、NAD 代謝- Sirtuin 経路を介した老化制御機構が注目を浴びている。また、加 齢とともにさまざまな組織においてNAD 量は減少することが知られており、Sirtuin だけで なく、生体内の様々な代謝機構を介した加齢性変化や疾患への関与が報告されている。本稿 では基本的なNAD 代謝の概略、測定法について説明するとともに、老化や様々な老化関連 疾患との関わりについても、最近の知見を交えて概説していく。

キーワード:NAD、Sirtuin、PARP、metabolisms

代謝疾患におけるRNA 修飾の分子機能およびRNA 修飾を標的とするオミクス研究の最前線

魏 范研、富澤 一仁
熊本大学 大学院生命科学研究部 分子生理学分野

 タンパク質のリン酸化修飾やDNA のエピジェネティクス修飾に代表される生体分子の 化学修飾は、様々な生命現象に関わることが以前より知られている。最近、タンパク質や DNA 以外に、RNA にも多彩な転写後修飾が存在することが明らかになってきた。さらに、 RNA 修飾の破綻が様々な疾患の発症に関わり、RNA 修飾病という概念が現在打ち出されて いることから、RNA に関する研究は量の研究から質の研究へと、新たな局面を迎えている。 本稿は、タンパク質翻訳マシナリーを構成するtRNA に存在する修飾に焦点を絞り、tRNA 修飾の分子機能及び疾患との関連について総説するとともに、tRNA 修飾の解析に関する最 新の方法についても触れたい。

キーワード:RNA、修飾、質量分析、次世代シーケンス